メカニカルキーボードのDM200を作る⑤

メカニカルキーボードのDM200を作る⑤

前回の記事でメカニカルキーボードのDM200のケースを設計したので、今回はそれを実際に作成します。

3DCADのFusion360でモデリングした寸法を元に、ケースの材料となるアクリル板を切り出します。
自分では寸法通り綺麗に切られるか怪しかったので、アクリル板のカット販売をしている業者さんに発注しました。

切り出して頂いたのが上のアクリル板です。
寸法通り正確に切り出されていて、切り口も綺麗でした。ネジ穴を開けてもらうこともできましたが、現物合わせで穴開けしたい部分がありますし、料金の節約のために、ネジ穴やUSBポートの穴、SDカードスロットの穴は自分で開けました。

穴開けしたアクリル板を、アクリル専用の接着剤で組み立てます。
上の写真のように三つのパーツが完成しました。キーボードが入る部分と、メイン基板とバッテリー、液晶パネルが入る上の部分、そして、その上の部分を二階建てにする真ん中のパーツの三つです。
アクリルの接着剤の扱いに手間取って所々こぼしていますが、内側で外から見えない部分なので、なんとかセーフです。
この三つのパーツに加えて、液晶パネルの上に貼るパーツを作ります。

ここだけ透明なアクリル板を使い、液晶パネルの描画部分だけをマスキングして、その内側だけ黒で塗装しました。アクリル板を画面のサイズに切り抜くより、この方が手間が掛からず、ケースと画面の段差が少なくなると考えてこのようにしています。

以上、四つのパーツが出来たので、組み立てていきます。

上のパーツと下のパーツを接着して、二階部分を作るためのスペーサーを取り付けました。
また、接着部分の強度を高めるために、アクリル板の端材を両端に接着しています。

一日置いてガッチリと固まったところで、メイン基板とバッテリーが付いた金属のフレームをネジ止めします。元々フレームにあった穴を利用して、4箇所でネジ止めしました。
SDカードの抜き差しやUSBケーブルの抜き差しがあるので、ここはしっかりと留めます。
メイン基板から出ているフラットケーブルは、キーボードと接続するケーブルです。

スイッチは元のものを基板ごと上面に移植して使い、プラ板で押さえのパーツを作ってネジ止めしました。

次に、二階部分の床になるパーツを取り付けます。このパーツをネジ止めして、この上に液晶パネルを置きます。

液晶パネルは、上に被せる透明アクリル板に合わせて慎重に位置決めして、両面テープで張り付けました。

次に、メイン基板から出ているフラットケーブルをキーボードに繋ぎ、裏からネジ止めして、塗装した液晶カバーのパーツを被せます。
最後に、底面に滑り止めのゴムを取り付けて完成です。


このように、メカニカルキーワードのポメラDM200が完成しました。

さっそく、上面左のスイッチを押して起動します。
ちゃんと液晶パネルが発光し、メカニカルキーも問題なく動作して、無事、文章を打つことが出来ました。
やはり、19㎜ピッチのキーで普通のキーボードと同じ感覚で打てるのは快適です。カタカタと、リズミカルにキーボードを打てました。
キーボード部分はFilcoのMajestouch MINILAを移植したので、ガッチリとしていて、フレームがたわむようなこともありません。

横から見るとこのような感じ。ただの板をくの字型にしただけのシンプルな形です。
昔のハンドヘルドコンピューターのような外観にしようと思って作りましたが、出来上がったのはどちらかというと、一連のAlphaSmart機のようになりました。
持ち運ぶことは考えていないので、この角度は固定です。

上から写しました。
スイッチは上面に、左面にUSBコネクターとSDカードスロットがあります。
SDカードは写真のように少し本体からはみ出します。

液晶画面とキーボードしかなくて、気を散らすものがありません。
さらに、ポメラDM200には全画面表示があって、それをオンにすると、このように時計やステータス表示が消えて、打っている文字だけが表示されるようになり、より集中できます。

さらに、白黒反転させるとフレームと一体化して、より、シンプルな見た目になります(写真に撮ると液晶画面とフレームの境が分かりやすいですが、実物はもう少し境が目立ちません)。


大きさをDM200と比べてみました。メカニカルキーボードのDM200の方が、横方向にキー二つ分くらい長いですが、縦方向には少し短くなっています。

DM100との比較です。全体的にメカポメラの方が大きく、厚さもあるのでゴツく見えます。

日本語配列のHHKBとの比較です。横幅はほぼ同じ、そのまま上面の本体部分の分が大きくなっています。

同じく、メカニカルキーボードを搭載した文字打ち機FreeWriteとの比較です。
メカニカルキーボードのDM200の方が一回り小さいですが、液晶画面は大きいです。

最後に、以前DM20を元に作った「メカポメラ」とも比べてみました。
中身がDM200になって、画面も大きく、圧倒的に高機能になりました。

今回作った「メカポメラ2号機」を中心に、我が家の文字打ち専用機を並べてみました。
左上から、メカポメラ、FreeWrite、ポメラ付きHHKBケース、DM100、メカポメラ2号機、DM200Xの並びです。
文字打ち専用機をこんなに集めて(作って)どうするんだと、家人から呆れられる構図です。


ジャンクのポメラDM200を手に入れたところから始めて、メカニカルキーボードのポメラを完成させることができました。

ポメラDM200は文章を打つ専用機としては今現在最高の性能で、それを元に作った「メカポメラ2号機」は、私にとって最高の文字打ち機になりました。
国語辞典、英和、和英辞典に加えて類語辞典も付いていて、アウトライン機能や二画面表示、賢くなった日本語入力など、文章を綴るための機能が詰まったDM200を、使い慣れたメカニカルキーで打てるのは幸せです。
ついつい、用もないのに立ち上げてカタカタ文字を打っています。

一方で、メカニカルキーを搭載したことで大きく重くなったので、このメカポメラは据え置き型として、室内で使っていこうと思います。
自室で文章を書いていて、煮詰まったらリビングのソファーに移動したり、ダイニングテーブルで書いたり、和室の座卓の上に持っていったり、家の中で持ち歩く機体として使い、外ではコンパクトなDM100やDM200で、そうやって書いた文章の編集はPCで、と、使い分けていきます。


DM200が発売されてからかなり年数がたって、そろそろDM300が出るのかな? という頃ですが、それまでこのメカポメラ2号機で楽しもうと思います。
また、今回はアクリル板でこのようなケースを組みましたが、直線で構成されていてデザインのかけらもないので、3号機を作るとしたら、3Dプリンターでの出力などを覚えて、もっとデザイン性のある筐体を組んでみたいと思います。

これならノートPCがあれば事足りるじゃん、というツッコミはなしで、こんな馬鹿なモノを作ったヤツがいると、笑って読んで頂けたら幸いです。

最後に、五回に渡っての記事にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

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※真似をされる方はいらっしゃらないと思いますが、ポメラの分解、改造は自己責任でお願いします。
高価なDM200を分解して文鎮化させても当方では責任をとれません。
また、DM200には無線LAN機能やBluetooth機能がありますが、分解した時点で技適を外れているので、このメカポメラで無線LAN機能やBluetooth機能を使うと違法になると思われます。
よって、このメカポメラではそれらの機能を使わず(元からDM200の無線LANは使っていなかったのですが)、ファイルのやり取り等は、SDカードかUSBケーブルを介して行っています。

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