メカポメラ3号機を作る①

メカポメラ3号機を作る①



 以前、ポメラDM200を改造して作ったメカニカルキーボードのポメラ(メカポメラ2号機、上)と、先日DM200のディスプレイを7インチから10.1インチに換装したポメラ(下)、この二台を便利に使っています。
 ポメラをメカニカルキーボードで打てるのは快適ですし、10.1インチの広い画面を使えるのも快適です。

 しかし、この二台を使うにつれ、この二台が合体した仕様、つまり、メカニカルキーボードで10.1インチのポメラがあればさらに快適なのではないか、そんな想いがムクムクと湧き上がってきました。
 メカニカルキーボードの打ち心地と、大画面の有用性の両方を享受できるポメラ。
 メカニカルキーボード搭載で10.1インチとなると、筐体が大きくなってしまいますが、元々、前作のメカポメラ2号機作成の際も、外に持ち出さず家の中での場所移動に困らないくらいの大きさ、というコンセプトだったので、多少大きくても構いません。
 メカニカルキーボードで10.1インチのポメラは、まさしく、「ぼくがかんがえたさいきょうのポメラ」となるはずです。
 家の中で、書きたいときにパッと立ち上げてサラサラ文章を綴れる、昔のワープロ専用機からプリンターを取り払ったようなガジェットが作れると思います。

 ということで、早速、どのように作るか構想を練ります。

 中身はメカポメラ2号機と同様、DM200を使います。ATOK搭載で文字の変換もそれなりに賢いですし、アウトライン機能や類語辞典など、文章を書くのをサポートしてくれる機能がたくさん入っています。
 キーボード部分も、2号機の時のFILCO Majestouch MINILAの物を流用します。いわゆる60%のメカニカルキーボードで、19ミリピッチ、キースイッチにはCherryMXの茶軸が使われています。それをポメラのキーボード用に配線し直して使います。
 また、ディスプレイは10.1インチ1024×600のTFT液晶を、Panasonicのポータブルテレビのモニターから流用します。
 これらは以前改造して動作確認が取れてるので、あとは、それをまとめるケースが必要となります。

 メカポメラ2号機はケースをアクリル板で作りました。
 あれはあれでシンプルで良いのですが、もう少し凝ったデザインの物が欲しいし、今回はその時よりも大きくなるため、もっと剛性がある方がいいと思います。
 そこで、3Dプリンターでケースを作ることを考えました。
 以前から3Dプリンターには興味があり、この切っ掛けで導入してもいいかなと思ったのです。
 しかし、調べていくうちに、3Dプリンターでケースを作るのはかなり大変そうなことが分かりました。
 まず、キーボード部分の横幅が30㎝くらいあるので、プリントするケースの横幅はそれ以上の大きさになります。それを印刷できる3Dプリンターとなると、かなり大きな物が必要です。
 また、それくらい大きな印刷物を反らずに正確に印刷するのは難しそうでした。
 3Dプリンターまったくの初心者の私に最初からそのような大物を印刷するのは無謀です。

 アクリル板や3Dプリンター、他になにか良いアイディアがないかと考えていて、ある考えが浮かびました。
 昔のワープロ専用機からプリンターを取り払ったようなガジェットが欲しいなら、昔のワープロ専用機の筐体にポメラを移植してしまえばいいのではないのか、と。昔のワープロ専用機を、ケースとして利用してしまおうと思い浮かびました。

 そこで過去のワープロ専用機を色々と調べると、このコンセプトにぴったりな、プリンター部が外れる機種があることが分かりました。
 ワープロ専用機の時代から持ち運べることを売りにする製品があったようで、キャノンやソニー、富士通やリコーなど、各社からそのような小型のワープロ専用機が出ていました。
 今ならそれらのジャンク品を格安で手に入れることができると思います。

 そこからさらに検討を重ね、色々と比較した結果、その中から、ソニーのProduceというワープロ専用機に的を絞りました。
 ワープロ専用機にしてはかなり小型で、プリンター部を切り離せます。資料を見る限り、メカニカルキーボードのスイッチ類が入る幅も深さもあると思います。

 実際に使えるかどうか分かりませんが、とりあえず実物を手に入れて調べてみることにしました。
 オークションサイトやフリマサイトで該当のワープロ専用機を探します。
 中身は使わないので、不動のジャンク品でもいいからとにかく外観が綺麗なものを探しました。
 すると、ソニーのProduce PJ-555という機種で良さそうな出品を見付けました。
 すぐに入札して、1000円程度で落札できました。

 届いた個体は、小傷はあるものの、外観は欠けなどもなく比較的綺麗でした。

このようにプリンター部分を外せます。

 元々、他のワープロ専用機に比べて小さいですが、プリンターを外すとこのようにさらに小さくなります。
 家の中を持ち運ぶのには苦にはならない大きさです。

 ディスプレイを開くとこのようになります。昨今のノートPCのように薄型ではありませんが、しっかりとしていて、キーを強く打ってもたわんだりしないと思います。デザインも無骨でカッコいいと思いました。

 横から見ると奥行きがかなり短いことが分かります。机の上などで、場所をとらなそうです。


 右側面には、フロッピーディスクのドライブと、スキャナーの端子、メモリーカードスロットがあります。フロッピーディスクは3.5インチではなく、2インチのフロッピーディスクドライブです(偉そうに言っていますが、2インチのフロッピーディスクというメディアが存在したのは、今回初めて知りました)。

 左側面には電源コネクターと拡張スロットがあります。

 背面にはプリンターのコネクターと、ジョイント部分があります。

 キーボード部分は、縦方向がいわゆる60%のキーボードと同じで、横方向はそれよりも少し広くなっています(キー1個半分くらい広いです)。
 深さがあるので、メカニカルキーボードのユニットを移植できそうでした。
 ディスプレイ部分は縦方向が10.1インチの液晶と同じくらいで、横方向はそれより広がっています。
 寸法に余裕があるので、ディスプレイの移植もできそうでした。

 今から30年以上前の製品ですが、実物を見ると、全体的に作りが良いという印象を受けます。
 昨今の製品と違って、いろんなところにお金をかけてあるように感じました。
 ディスプレイ開閉のギミックが凝っていたり、筐体もがっちり作られています。

 メカニカルキーボードで10.1インチのポメラを作るのに、この筐体は使えそうです。

 実物を購入して使えそうなことが分かったので、以降、これを使ったメカポメラ3号機の制作にかかろうと思います。

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